どうも、しらすです!
今回は『未熟児網膜症』についてです。
小さく生まれた赤ちゃんはほとんどの確率でかかるといわれているこの病気。
ウチの子供たちももれることなくこの病気にかかりました。
未熟児網膜症は一度進行してしまうと、最悪失明するので、治療をしないっていう選択肢はないんですが
この治療・・・
メチャクチャ痛そうなんです(T-T)
今回は未熟児網膜症がどんな病気なのかとか、『この治療絶対痛いやん・・・』って思った経緯とか、治療を終えた先に親にできることとか。
この治療を娘たちが受けたことで思ったことなどを色々とまとめていこうと思います。
はじめに:未熟児網膜症とは
赤ちゃんの網膜の血管は在胎36 週頃に完成します。
予定日より早く生まれた場合は、網膜の血管は途中までしか伸びていません。
血管の伸びが途中でとまってしまい、血管が枝分かれしたり、眼の中心にむかって立ち上がったりと、異常な発達をすることがあります。
これを未熟児網膜症といいます。
生まれたときの体重が1,800g 以下、在胎週数34 週以下とハイリスクがある場合は、眼科医による眼底検査を受ける必要があります。
発症率は出生体重1,500g 未満で約60%、在胎28週未満ではほぼ100%です。
未熟児網膜症を超簡単に説明
僕が聞いた説明がすごくわかりやすかったので、補足的に説明します。
上記の通り人間の眼球は在胎36週で完成します。
しかし、小さく生まれてきた赤ちゃんは当然、眼球が完全に成長していません。
人間の目には無数の血管が張り巡らされていて、そこから酸素を受け取って機能しています。
小さく生まれてきた赤ちゃんはその血管が張り巡らされる前に生まれてきているので、血管の数や長さが足りずに目の中でも酸素が受け取れない部分がでてきます。
目は酸素が受け取れないと機能できないので、急ごしらえで血管を作ります。
でもその急ごしらえの血管。
メチャメチャもろいらしい
で、そのもろい血管から出血したり、その出血したところに膜ができたりします。
またその膜が曲者で、
網膜をひっぱる性質があるらしい
網膜をひっぱる=網膜が剥離する
で、最終的に『網膜剥離』っていう素人の僕でも聞いたことがある状態になって失明に至るということらしいです。
失明・・・怖いですね。
未熟児網膜症の治療について
未熟児網膜症の治療は『急ごしらえの血管を作らせない』ための治療です。
ここからは実際に治療を受けた娘たちをそばで見ていた僕が、その方法と印象について書いていきます。
我が家の娘たちはレーザー治療をしました
未熟児網膜症の治療はレーザー治療で行われます。
目の血管がない部分に急ごしらえの血管ができる前にレーザーをあてて焼き、血管ができるのを阻止しようというもの。
だいたいこんな感じの治療が行われます。
まず治療が行われる前に治療についての説明があります
先生は治療を行う前に説明をしてくれます。
先生の仕事ってこういうところが一番大変なんじゃないでしょうか。
ほぼ起こらないと思われる最悪の症状まで説明してくれます。
弱視、斜視。
ここまでは『目の治療だしね、視力を失うことに比べれば全然マシだよね・・・』と受け止めることが出来るのですが
最悪失明します
という宣告を受けます。
両親としては何かこう、もどかしい気持ちになりました。
この治療は子どもの状態が安定してから行われることが多いです。
僕の場合は『子ども達がいなくなる』っていう最悪のケースを乗り越えた後だったので、子ども達がいなくなることに比べれば全然マシです。
子供がいなくなるよりはマシ。全然マシ。マシなんですが、それでももどかしい気持ちになること避けられませんでしたね。
レーザー治療が行われている間、親はNICUから退室する
ウチが通っていた病院では未熟児網膜症のレーザー治療を行う時に、面会に来ていた親は退室しないといけません。
毎週木曜日の13時から14時ぐらいに目の治療が行われていたのですが、その間はNICUから退室して、休憩室で時間をつぶしていました。
その間はスマホで『未熟児網膜症の治療』について検索。
すると同じように治療を受けているブログをいっぱい見つけることが出来ました。
小さく生まれてきた赤ちゃんはみんな同じ道を通ってきてるんだなー
と実感すると共に
ウチの子ども達だけではないんだ
と勇気づけてもらうことができました。
今同じ気持ちでこの記事を執筆しています。
目の治療ってメチャメチャ心配でたまらないと思うんですけど・・・
大丈夫!ウチも同じ道をたどっています。
治療が終わってNICUに戻ると娘の目がパンパンに腫れている
退室して1時間後ぐらいにNICUに戻ります。
受付で治療が終わったことを確認してNICUの中へ。
NICUの中から色んな泣き声が聞こえます。
ウチの子ども達ももれることなく泣いていました。
よっぽど痛かったのかなーなんて思って子ども達の顔を確認。
ん?なんかいつもと違う・・・?
子ども達の顔を凝視すると
目がボンッボンッッに腫れている
未熟児網膜症の治療は痛いだの痛くないだの休憩室で調べていて色んな意見がありましたが
絶対痛いでしょ
すっごくいたたまれない気持ちになりました。
娘たちよ、よく頑張った!
親にできることは頑張った娘たちを精一杯ねぎらうこと
治療を終えてNICUに戻ると、いつも担当の看護師さんが『よく頑張ったねー』ってあやしてくれています。
で、僕たち親が子供のもとへ行くと『パパとママが来たよー。頑張ったからほめてもらおうねー!』と子ども達を渡してくれました。
よっぽど痛かったのか、それでもなかなか泣き止むことはありません。
痛かったね
辛かったね
よく頑張ったね
えらいえらい
すると徐々に子ども達は泣き止み、やがて泣き疲れたのか、そのままスヤスヤ眠りました。
未熟児網膜症の治療で親にできることはこれだけです。
親は素人です。何の治療をすることもできません。
でも、でもね、
親は誰よりも子ども達をねぎらうことができるんですよ
先生は治療が終わったら次の治療に移らないといけない。
看護師さんは担当はいるけど、他に仕事があるからずっとはあやすことはできない。
でも面会に来た親は面会時間が許す限り、子ども達をあやすことができます。
これってとてつもなく大切な事だと思いません?
長女は5回、次女は4回治療しました
痛い治療なので1回で終わればいいのですが、ウチの子ども達はそういうワケにはいきませんでした。
レーザーする範囲が広く、長女は5回、次女は4回のレーザー治療をしました。
その1回1回が毎回痛そうで、毎回のように目も腫れていました。
そんな治療をしていた娘たちですが、今では3カ月に1回の予後検診だけで済んでいます。
幸い経過も良好で、今のところは追加の治療も必要はなさそう。
それもこれも子ども達が頑張ってくれたから。
本当に頑張った娘たちに感謝です。
まとめ:親は素人だから治療はできないけど、ねぎらうことはできる
今回は未熟児網膜症の治療について書いていきました。
ウチの娘たちは生まれてから試練つづきで、辛い思いも痛い思いもいっぱいしてきました。
その度に何もできない自分に歯がゆくなることがたくさんありました。
でも今考えてみると、その度に子ども達のそばにいて、子ども達をねぎらう自分がいて。
親ってそれだけでも十分じゃないのかなって思えるようになりました。
子供がスムーズに治療を受けるためには親がいないと何も進まないわけで。
子供がスムーズに治療を受けられるようにできているだけで、それは親として自分ができる最大限のことをしているわけで。
うん、これだけで十分ですよね。
なのでこれからも治療はできないけど、僕は親として最大限できることを子ども達にしていこうと思います。
最後に:仮に目の後遺症が出たとしても、僕は心配しない
何のテレビで見たか忘れましたが、目の後遺症を持っているママの特集を見ました。
そこには目の後遺症を持っているママがいて、それをフォローする子ども達がいました。
僕がママの目になるんだ!
と頑張っている小学生ぐらいの子どもがいました。
近い将来、もしかしたら子ども達に目が見えなくなる後遺症が出るかもしれません。
その時には親として、僕は子供の心配をすることはあるでしょう。
でも、その先の将来は何となくですが、明るい未来があるのかもしれません。
それを知っただけで、僕は『例え目が見えなくなったとしても、そこまで心配する必要はないのかもしれないな』と考えることができました。
もし子ども達の目が見えなくなったら、その時に子ども達のことについて考えよう。
その時も悲観的に考えるんじゃなくて、『目は見えなくても子ども達の将来はきっと明るいものがあるんだろうな』と考えるようにしよう。
そんな風に思えた出来事だったので、最後に書いておこうと思います。
↓未熟児網膜症の予後についてまとめた記事はこちら↓
osirasu.hatenablog.com
合わせて読んでいただけると嬉しいです。
終わり。