どうも、双子パパのしらすです!
以前、『双胎間輸血症候群(TTTS)』がどういう病気なのかをまとめました。
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この記事はその続き。
我が家の『双胎間輸血症候群(TTTS)』の発覚から出産までの経験談をまとめていこうと思います。
しらす家の『双胎間輸血症候群(TTTS)』の治療はどうだったのか、1つの事例としてみていただけると嬉しいです。
- 双対間輸血症候群(TTTS)が分かったタイミングとキッカケ
- 双胎間輸血症候群(TTTS)の治療が決まり、転院する
- 転院後1週間でレーザー手術へ
- 手術の内容、詳細
- 予後観察について
- レーザー手術後の予後観察
- 25週で生まれたその後
- まとめ:子供逹はたまたま奇跡の連続で生まれてきてくれました
- 双胎間輸血症候群(TTTS)ってどんな病気?
双対間輸血症候群(TTTS)が分かったタイミングとキッカケ
子供たちに、最初に異変があったのは、妊娠15週の定期健診の時でした。
双子の片方の子の心拍が、少し弱くなっていたんです。
この時には、まだ羊水の量に差はなく、先生も『様子を見ましょう』ということだったので、要経過観察で終わっていきました。
明らかに症状が出始めたのは、ここから半月経った、17週の定期健診の時です。
エコーで見てもらうと、明らかに羊水の量の差が出てしまっていたんです。
受血児の羊水深度が8cm、供血児の羊水深度が2.5cmにまで差がついていました。
『これはちょっと慎重に見ていきましょう』ということで、妻は日々経過観察(エコー検査)するために、病院に緊急入院することになりました。
双胎間輸血症候群(TTTS)の治療が決まり、転院する
緊急入院が決まり、まず言われたことは『転院しないといけない』ということでした。
双胎間輸血症候群(TTTS)のレーザー手術が出来る病院は、全国でたった『8か所』しかありません。(それだけ稀な症状ということ)
妻は地元の病院から車で片道3時間かかる他県の病院へ転院することになりました。
転院後1週間でレーザー手術へ
17週で羊水の差が分かり、他県の病院に転院して1週間は持ちこたえましたが、18週になって、さらに羊水の差が広がり、レーザー手術を受けることになりました。
その日は仕事も休みを取り、僕は病院へ向かいます。
そこの病院では、夫だけは手術に立ち会ってもいいということで、僕は一緒に手術室に入り、一緒に手術の経過を見守ることになりました。
手術の内容、詳細
手術室には妻と二人で歩いて行きます。
入室前に、緑色の服を着て、念入りに手洗いし、いざ手術室に入ります。
慌ただしい雰囲気とただならぬ雰囲気に、一気に緊張が走ります。
『それでは入りましょうか。器具がいっぱいあるので気を付けて下さいね。』と看護婦さん付き添いのもと、妻と二人で手術室に入りました。
『ウィーン』と扉が開くと、そこにはドクターXの世界が広がる手術室が。
エコーの先生1人、執刀医の先生2、3人、記録するっぽい先生1人、あと立ってる先生10人ぐらいの計15人ぐらいの先生が所狭しと立っていました。(全員先生かは分かりません)
年に1回あるかないかの手術、さすがの注目度です。
その後、妻は手術台に横になり、僕は妻の頭付近にある椅子に座りました。
手術は部分麻酔で行われ、幹部を冷やして注射をするところから始まりました。
妻曰く、痛みはほどんどなく『インフルエンザの注射の方が痛いな』っていう感じらしいです。
エコーでお腹の状態を診てもらいつつ、レーザー針を射せる場所を探していきます。
そして、射す場所が決まったようで…。
『それじゃあ針を刺しますねー。よいしょ!』の掛け声と同時にお腹に針を刺した瞬間
バウンッッ!
とスゴい音とともに妻の体がバウンド、その衝撃に僕は『マジか…』と驚きが隠せませんでした。
後々妻に『本当に痛くなかったの?すごい跳ねてたけど』と訪ねると『衝撃はスゴかったけど痛くはなかった』とのこと。
『そんなに跳ねてたの?(笑)』と笑い事で済まされていました。(跳ねてる本人には分からない様子)
針を差した時はまさに上の図のような状態。
針を刺した後、針から内視鏡を挿入して、モニターにお腹の中が映ります。
お腹の中は『砂がサラサラな海底』のような感じでした。
サラサラの砂が地面に広がり、その砂の上に血管が走っているという感じです。(わかりにくくてすみません)
モニターに映される血管の形を先生が読み上げていき、記録係の先生が紙に記録していきます。
先生『ん~、逆さ富士!あと~、熊手!…あ、熊手ダブル!あと~、ミジンコ!』←血管の形がそう見えるからそれで記録していくみたいです。
モニターを見ていて『確かに見えなくはないな…』と思う僕でした。
一通り血管の記録をした後、先生方がどこを焼くかを相談し、いよいよレーザーで血管を焼いていきます。
先生『じゃあいきますよー』の掛け声でレーザーが発射されていきます。
聞こえるか聞こえないかの機械音で『ウィーン』という音と、先生がボタン(?)を押す度にモニターに赤い光が点灯します。
そして、光で照らされた先の血管の色が赤色から徐々に灰色に変わっていき、血管を凝固させていきます。
焼いた血管は8か所ほど。一通り焼いた後、別の先生に変わってチェックし、念のためもう一度焼くという作業をされてました。
内視鏡を抜く前に、二人の子ども逹とカメラ越しに初対面。
人というにはまだまだ小さくて未発達な子供達。
目をつむっていて子供たちは絶対に覚えていないけど、僕と妻はその姿をしっかりと目に焼き付けました。
その後、羊水過多ということで、羊水を1リットルほど抜き、約3時間ほどでレーザー手術は終わりました。
予後観察について
無事手術は終わりました。ここから2週間が術後の山となります。
- 血管を焼いた結果、子供たちにどう影響するのか
- 羊水量の変化はどうか
- 子供たちの心臓に負荷はかかっていないか
- 母体に影響はないか
など、日々状態を診てもらうことになります。
もし、焼いた血管以外にも行き来している血管が残っていたり、焼きが甘くて行き来している血管があったりすると、再び『双胎間輸血症候群(TTTS)』や『双胎多血貧血症候群(TAPS)といわれる双胎間輸血症候群(TTTS)の一歩手前の段階の症状』になったりします。
治療が上手くいってなかった場合は2週間以内に再び症状が現れることが多いので、『手術後の2週間が山になる』ということを教えてもらいました。
その他にも合併症として、お腹に手を加えたことで早産になる可能性もあり、気の抜けない日々を送ることになります。
そんな感じで、3時間にも及ぶ手術は無事に成功し、予後観察にうつります。
レーザー手術後の予後観察
手術後の2週間は良好
幸い手術後の2週間は経過も良好で、受血児の羊水深度が6cm、供血児の羊水深度が4cmまで持ち直しました。
『へその緒が首に巻き付く』というアクシデントもありましたが、大事に至らず、術後2週間は無事乗り越えました。
手術後の3週間目に羊水の差ができ始める
僕たち夫婦は術後の2週間を越えたので、ホッとしていました。
しかし手術してから3週間が経った時、羊水量にまた差が出始めました。
この時の羊水深度は受血児の方が8.8cm、供血児の方が4.5cmです。
子ども達の症状が出始めたことにより、先生の緊急説明会が行われました。先生の説明は次の通りです。
『羊水に差が出始めています。再レーザー手術も考えたのですが、前回の手術により、奥さんの羊膜がはがれているので、それは出来ません。子どもさん達が早く産まれてもいいように、地元の病院に戻る方がいいでしょう』
ということでした。
これをきっかけにして妻は地元に戻り、双胎間輸血症候群(TTTS)による入院生活は2カ月で終わりました。
その後、羊水量の差が縮まることはありませんでした。
片方の子の心拍が弱くなったことがきっかけに、25週で緊急帝王切開になりました。
それでも何とか、二人の子ども達は無事に生まれてきてくれました。
↓出産までのことをまとめた記事はこちら↓
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↓生まれた時のことをまとめた記事はこちら↓
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25週で生まれたその後
800gと550gで生まれた娘たち。
5カ月間のNICUでの入院生活を送り、無事退院しました。
発達はかなーりゆっくりですが、特に問題もなく順調に育ってくれています。
↓子ども達が1歳の時の状況をまとめています↓
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まとめ:子供逹はたまたま奇跡の連続で生まれてきてくれました
以上が、子供逹が生まれてくるまでの詳細になります。
こうやって振り返ってみると、ホント奇跡の連続で子供たちは生まれてきてくれたんだなと実感できますね。
少しでも何かが違えば生まれてくることすらできなかったかもしれない。
奇跡的に手術ができる週数まで持ちこたえてくれて、手術後もしばらくは良好に経過してくれた。
これがもし、1週でも少なかったら子供たちは生まれてくることはできていません。
子供逹の力が、スクスクと育っている今を作ってくれています。
以上、我が家の『双胎間輸血症候群(TTTS)』経験談でした!