今回は『動脈管開存症』の手術を受けてからのその後の話になります。
『動脈管開存症』の経験談に関しては上の記事にまとめてあるので、気になる方はそちらからどうぞ。
さて本題です。
双子の娘たちが1歳になった時に心臓のエコー検査を受けました。
動脈管開存症の予後をみるためです。
検査結果を先に書いておくと『おおむね良好』でした。
心臓の検査はエコー検査で行われる
エコー検査。妊娠されている(もしくは過去にされた)方ならされたことがあると思います。
僕も妻が妊娠している時に、一緒にエコー室に入って、お腹の中の子ども達の様子を見ていました。
我が家の場合、子ども達が双胎間輸血症候群だったので、お腹の中では、長女のいる部屋が広く、次女の部屋が狭いという構図。
次女は動き回れるスペースが狭かったので、心拍はとりやすかったのですが、長女は動けるスペースが広くて、おまけに暴れん坊のヤンチャ。2回に1回は『今回は心拍とるの諦めましょう^^;』と先生が投げ出すほどの暴れっぷりでした。
それに比べると、1歳を迎えた子ども達のエコー検査するのなんて超簡単!直接胸にエコーの機械を当てて、様子を見れるんですからメチャクチャ簡単・・・ではありませんでした。
子供って診察室に入ると、何故ああもグズるんでしょうね。泣くわ、わめくわでそりゃもう大変でした。
服を脱がそうとすると泣くし、診察台に寝かせると寝返りするし、先生の腕は蹴るし。
『予防接種じゃないよ!!!』って言っても言葉を理解できない子ども達。それはそれは大変でした。
それでも先生は『はい、お父さん。押さえててください。』って。うん、クール。こっちが必死に抑えてても、そんなのお構いなしで『はい、終了です。いいですね。』って終始クールに診断してくれました。
動脈管開存症の手術後に起こった合併症その後(我が家の場合)
そんなこんなで、汗をかきながら終えた動脈管開存症の予後検査ですが、最初に触れたように『結果はおおむね良好』でした。
長女
横隔膜が上がったまま下がらない
手術後1カ月の検査で『左の横隔膜が上がったままになっている』と診断を受けた長女。
人は横隔膜を上下に動かすことで呼吸するので、この症状が続けば『呼吸に何らかの影響が出るかもしれない』と診断されていました。
こちらの症状は、幸いなことに、この診断を受けてから2週間後に治っています。
左半回神経麻痺
こちらの症状も横隔膜の診断を受けた時に、同時に診断されたものです。
『反回神経』はノドにある神経で、役割を簡単にいうと『気管と食道を切り替える役目』を持った神経です。
これが麻痺すると『気管と食道を切り替えることができない』ということになり、飲み物や食べ物を飲み込んだ時に、間違って気管の方に飲み込んだものがすすんでしまい『むせてしまう』というもの。
長女の場合、動脈管開存症の手術の時にこの神経が傷付いてしまったと考えられていて、『左半分が反応しない』という状態になっています。
ま、簡単にいえば『むせやすい』ということですね。
こちらの症状に関しては、治るきざしはありませんが、右半分は正常に動いてくれているので、重症というわけではありません。
ただ、やはり左半分は機能していないので、『むせやすい』という症状とは一生のお付き合いとなりそうです。
肺出血した影響
長女は生後1週間の時に、この『動脈管』の影響で、肺出血しています。
この肺出血の影響で、次女よりも肺が弱く、退院を迎えた生後5カ月の時に、完全な自発呼吸ができるようになっていた次女に対し、長女は酸素の補助が必要で、在宅酸素を使用していました。
そんな肺が弱かった長女も、生後11カ月の頃に、在宅酸素が取れています。
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上の記事でも書いていますが、肺出血をすると『肺気胸』といって、肺に穴が開いてしまうことがあるそうです。
長女の場合は、特に問題が起こることなく、順調に回復することができました。
次女
大動脈狭窄(きょうさく)
動脈管開存症の手術から1か月後の健診で『大動脈が狭窄している(狭くなっている)』と診断を受けた次女。
動脈管を縛った影響で出た症状なのですが、1歳の時に受けた健診では『改善している』とのこと。
手術の反動で一時的に血管が狭くなってしまっただけで、成長とともに改善したようでした。
余分な血管が1本多い
大動脈狭窄と同じ時期に『心臓にあるべきでない血管が1本ある』と診断された次女。
心臓にある余分な血管は動脈管と同じく『肺や心臓に負担をかける』ことが多いそうで、負担がかかっていないか心配していました。
結果は『余分な血管が見当たらない』というもの。
つまり、成長すると同時に1本多かった血管は自然と閉じたということになります。
体の大きさに対して、心臓が大きくなっていると、『心臓に負担がかかっている』ということらしいのですが、1歳時の定期健診ではこの所見も見られなかったということで、動脈管開存症の予後はきわめて良好。改善しているということでした。
いやー、本当によかった!!!
動脈管開存症の手術跡も薄くなった
長女は生後1週間で、次女は生後1カ月で動脈管開存症の手術を受けました。
手のひらほどのサイズしかない体に、全身麻酔をほどこし、左の脇腹から肩甲骨にかけて3cmほど切開し、余分な血管『動脈管』という血管に紐をくぐらせて縛るという手術です。
今の元気に成長している姿を見ていると、『命にかかわる大手術をした』なんてこともすっかり忘れてしまっているのですが、お風呂に入れる時に、思い出したかのように背中の傷を見ることがあります。
当時、手術をするために切開した傷は3cmほど。今では体の成長とともに、その傷痕も10cmほどに伸びています。
ただ、傷跡は伸びているものの『薄くなったなぁ』という印象。
生後1週間で手術を受けた長女は、『本当によく見れば傷がある』程度で、その傷跡は薄く薄くなっています。
生後1カ月で手術を受けた次女は、長女と比べて少し月齢が経ってから手術を受けたせいか、傷痕は残っていますが、それでも手術を受けた当初に比べれば相当薄くなっています。
これからさらに成長していくことを考えると、この手術跡もさらに薄くなることが考えられます。
今後、傷を気にする年代になってくるので、傷跡が全くわからなくなるようになってくれればいいんですがね。